擁壁工事をお考えのお客様へ
敷地内の土地の高さに大きな高低差がある場合、土を切り取ったり(切土)、盛ったり(盛土)してならしますが、擁壁(ようへき)は、切土、盛土を行った土地を維持するために設計・構築される壁状の構造物のことです。一般的にはコンクリートを用いて築造します。
擁壁を作る際には、法令で定められた構造計算により擁壁の寸法や鉄筋の量を計算し、行政が定めた基準に則って工事が行われます。こちらでは、「横浜の外構屋」が擁壁についてご説明しています。
擁壁の役割
土を切り取った壁(切土)や盛土は十分な強度がなく、建物の荷重や雨水などの水圧により、倒壊や不同沈下につながる危険性があります。これを防ぐために、コンクリートや石などで補強します。
倒壊について特に注意したいのが、1960年代に建設された建物の土地です。劣化しやすい大谷石の擁壁が多くみられる傾向にあり、構造耐力がないケースがあります。この場合、改修工事が必要になります。
舗装の種類
RC擁壁(鉄筋コンクリート擁壁)
垂直に壁を積み上げることができ、擁壁の傾斜がないため、敷地を有効利用できます。ただし、現場での施工を要するため、工期と料金が高くなります。
間知ブロック擁壁
比較的地盤が安定している土地に適しています。RC擁壁よりも安価に施工できます。ただし、垂直に壁を積み上げることができないため、敷地の有効面積が減少します。
PCL型擁壁
工場生産された既製品をクレーンで吊り上げて設置する擁壁です。短工期で工事が可能です。作業スペースを要するため、広大な敷地と道路幅が必要になります。
重力式コンクリート擁壁
コンクリートの重みで土を押さえる構造の擁壁です。山を切り崩した切土に適しており、ダムや道路の土留めに利用されます。
空石積み擁壁

石を積み上げた擁壁です。比較的地盤が安定しており、高さが1.5mくらいまでの擁壁に適しています。ただし、土の圧力を受ける土地には適していません。
大谷石積み擁壁
昭和30~40年代によく利用されていた擁壁です。現行基準に適合していません。水分を吸収しやすく、表面が剥がれてきます。
二段擁壁
既存の擁壁の上に新たに擁壁を増設したものです。現行基準に適合していません。
擁壁の劣化をチェック
構造耐力上危険な擁壁であるか否かは、目視で推測できます。以下チェックポイントをご参考にしてください。
チェックポイント | どう対処すればいい? |
---|---|
水抜き穴 水抜き穴がない、あるいは少ない |
水抜き穴を付ける、あるいは追加する |
水のしみ出し 擁壁の表面がしみ出し、湿っている |
擁壁の湧水や水位を調査し、対策を講じる |
ひび・クラック 表面に幅が1mm以上のクラック・ひびがある |
クラック・ひび割れを補修する |
目地部にズレ | ズレの進行具合を確認し、補修する |
鉄筋 クラックからさび汁が出ている |
鉄筋の腐食具合を確認し、補修する |
素材 大谷石擁壁、石積み擁壁、二段以上の コンクリートブロック擁壁である |
大谷石擁壁は、補修・取り替えを行う。現行基準に適合していない石積み擁壁、二段以上のコンクリートブロック擁壁は取り替える。 |